夜光雲 大山エンリコイサム | Noctilucent Cloud Entrico Isamu Oyama
          2020年12月14日(月) - 2021年1月23日(土)
          神奈川県民ホールギャラリー Kanagawa Prefectural Gallery

星の明るさには等級がある。1等星は6等星の100倍も明るい。明るい星は名前がある。シリウスやヴェガは星座にもなる。暗い星も無数にあり、その背後には宇宙の闇がある。有名で明るい星も、無名の暗い星も、表象された星座の星も、表象されない孤独な星も、宇宙はすべてを包み込む。星の様ざまは人間の歴史や社会の様ざまに似ている。気づかれない路上の落書き。美術館にある立派な芸術。その様ざまに似ている。でも星は点にすぎない。明るさは様ざまでも、かたちは様ざまでない。具象性がない。他方で地上のかたちは名前や意味にまみれている。言語や領土に分割されている。私はあいだを見る。宇宙と地上のあいだの空。雲。雲には名前も意味もない。フォルムだけがある。半固形のかたちは緩やかにつながってちぎれる。ただ雲にも様ざまがある。宇宙と空のあいだの少し高い雲。エアロゾルが氷化した少し固い雲。夜に青く白く光る雲。星でも雲でもない雲。夜光雲。

大山エンリコイサム

The brightness of a star is measured in magnitudes. A star of the first magnitude is 100 times brighter than one of the sixth magnitude. Brightest stars have names. Sirius and Vega are even part of constellations. There are also countless dark stars, behind which the darkness of the universe extends. Whether a star is famous and bright, nameless and dark, part of a constellation or alone, the universe envelops them all. The diversity of stars is similar to human history and society; from scribbles unnoticed on the street to fine art proudly displayed in museums. Yet, stars are no more than dots. They vary in brightness, but not in shape. They are not defined. Meanwhile shapes on the earth are covered in names and meanings. They are divided by language and territory. I look between. The sky between earth and space. Clouds. Clouds have no names or meanings. They have only forms. Semisolid forms that loosely connect and get torn off. But even clouds are diverse: A cloud high on the border of sky and space. A firm cloud of frozen aerosol. A cloud that shines blue and white at night. A cloud that is neither a star nor a cloud: a noctilucent cloud.

Enrico Isamu Oyama

大山エンリコイサム展
夜光雲

神奈川県民ホールギャラリーでは、ニューヨークを拠点に新作や著作の発表でますます注目を集める気鋭の作家、大山エンリコイサムの個展を開催します。本展は「夜光雲」と題し、平面、立体、サウンド、インスタレーションなど、県内最大規模5室1300平米の広大で特徴のある空間を活用した過去最大級の作品を展開します。

そして、2021年は作曲家・ピアニストの一柳慧が当財団芸術総監督に就任し20周年の年です。この機会に、これまでの芸術活動の場が同じニューヨークである一柳・大山のコラボレーションも予定しています。作家が現代の諸相を反映する、現代美術の実現の絶好の機会をお見逃しなく。

会期 2020年12月14日(月) - 2021年1月23日(土)
休場 2020年12月17日(木)、24日(木)、28日(月)、2021年1月7日(木)
年末年始[2020年12月30日(水) - 2021年1月4日(月)
時間 11:00 - 18:00 ※入場は閉場の30分前まで
料金 一般800円学生・65歳以上500円高校生以下無料
障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
KAAT EXHIBITION 「冨安由真展|漂泊する幻影」の有料チケット半券をお持ちの方は100円引きとなります。
会場 神奈川県民ホールギャラリーアクセス
主催 神奈川県民ホール[指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団]
助成
公益財団法人花王芸術・科学財団
協賛
アクセンチュア株式会社 芸術部 株式会社ジンズホールディングス
デュポン・スタイロ株式会社
協力
Takuro Someya Contemporary Art
お問い合わせ 神奈川県民ホール045-662-5901(代表)

最新情報は随時ウェブサイト、ツイッター、インスタグラムなどでお知らせします。

大山エンリコイサム

アーティスト。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開し、現代美術の領域で注目される。1983年にイタリア人の父と日本人の母のもと東京に生まれ、同地で育つ。2007年、慶應義塾大学環境情報学部卒業。2009年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2011年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘で渡米。2012年よりニューヨークを拠点にする。大和日英基金(ロンドン)、マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館(カンザス)、ポーラ美術館(箱根)、中村キース・ヘリング美術館(山梨)、タワー49ギャラリー(ニューヨーク)で個展を開催。著書に『アゲインスト・リテラシー―グラフィティ文化論』(LIXIL出版)、『ストリートアートの素顔―ニューヨーク・ライティング文化』(青土社)、『ストリートの美術―トゥオンブリからバンクシーまで』(講談社選書メチエ)、企画監修に『美術手帖』2017年6月号エアロゾル・ライティング特集、コラボレーションに「コム デ ギャルソン 2012S/S ホワイトドラマ」「シュウ ウエムラ ヴィジョン オブ ビューティー コレクション vol.02 オートストリート」がある。
www.enricoisamuoyama.net

Enrico Isamu Oyama in his Brooklyn studio, 2018
Photo ©︎ Collin Hughes

Toshi伝説 一柳慧芸術総監督就任20周年記念
記念プロジェクト第一弾
チェンバロと笙による音幻

2021年1月17日(日)13:00、16:00 [各40分程度予定]
一柳慧:笙とチェンバロのための『ミラージュ』、他
チェンバロ:流尾真衣/笙:三浦礼美
観覧無料 ※但し展覧会の入場券が必要です

「Toshi伝説」とは、一柳慧(作曲家・ピアニスト)の神奈川芸術文化財団芸術総監督就任20周年を記念して、その芸術家としての姿に迫る記念プロジェクトです。

一柳慧(作曲家・ピアニスト)

神戸生まれ。作曲をジョン・ケージ、ピアノを原智恵子、B.ウェブスターに師事。高校時代(1949年)毎日音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門に第1位入賞。52年に19歳で渡米、ジュリアード音楽院卒業。この間にE.クーリッジ賞、A.グレチャニノフ賞を受賞。ジョン・ケージと知己を得、偶然性や図形楽譜による音楽活動を展開。61年20世紀音楽研究所の招聘で帰国、自作品並びに欧米の新しい作品の演奏と紹介で様々な分野に強い刺激を与える。ウィーン・モデルン、ベルリン・フェスティバル、イギリスBBC、パリ管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ、フィンランドAvanti!などから作品の委嘱を受け欧米各地で精力的に作品発表と演奏活動を展開。神奈川県民ホールではオペラ『モモ』(98年改訂版初演)、オペラ『愛の白夜』(2006年世界初演、09年改訂版初演)、オペラ『ハーメルンの笛吹き男』(12年世界初演)のほか、多数の新作発表やプロデュース公演を行っている。尾高賞を5回、フランス芸術文化勲章、毎日芸術賞、京都音楽賞大賞、サントリー音楽賞、ジョン・ケージ賞、日本芸術院賞及び恩賜賞ほか受賞多数。文化勲章のほか紫綬褒章、旭日小綬章受章。08年より文化功労者。現在、日本・フィンランド新音楽協会理事長、神奈川芸術文化財団芸術総監督。

Photo © Koh Okabe
流尾真衣(チェンバロ)

4歳からピアノを、14歳からチェンバロを始める。東京藝術大学古楽科チェンバロ専攻卒業、同大学院修士課程修了。在学中に安宅賞、卒業時にアカンサス音楽賞受賞。チェンバロと通奏低音を鈴木雅明、上尾直毅、平野智美、大塚直哉、Christine Schornsheimの各氏に師事。在学中より鈴木雅明主宰のバッハ・コレギウム・ジャパンのコーラス練習伴奏者を務めた。現在はバロック音楽を軸としながら、ソロおよびアンサンブルで様々な活動を展開。絵画・演劇・ダンスなどとのコラボレーションのほか、親子コンサート開催や古楽器でのリトミック、後進の育成にも励んでいる。最近では横浜そごう美術館の《フェルメール光の王国展2018》でのヴァージナルとチェンバロのソロコンサートシリーズ、《ウィリアム・モリスと英国の壁紙展》でのスクエアピアノコンサートが好評を博すなど活躍の場を広げている。アンサンブル室町メンバー。日本チェンバロ協会会員。

三浦礼美(笙)

国立音楽大学卒。笙を宮田まゆみ、豊英秋各氏に、雅楽合奏を芝祐靖氏に師事。
「伶楽舎」の一員として国立劇場、サイトウキネンフェスティバル松本、サントリーサマーフェスティバル、ULTIMA音楽祭等、国内外の公演に多数出演。2010年パリオペラ座、2012年モントリオール グランバレエにてバレエ「輝夜姫」公演に出演。2015年にはフランクフルトにてアンサンブルモデルンと共演。近年は2018年パリのジャポニスム2018、2019年Japan Society公演(アメリカ、ニューヨーク)、タイ・マヒドン大学でのNew Composition for Traditional Instrumentなどに参加。また笙3人のユニットShogirlsを結成し2012年より毎年公演を行い、笙トリオの委嘱、初演にも積極的に取り組んでいる。学校公演事業にも力を注ぎ、雅楽の裾野を広げる活動にも尽力している。NHK邦楽番組出演の他、TV、CD等の録音も多数。ムサシノ雅楽教室、雅の会ふくしま講師。